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<< 産経新聞 「Dr.斎藤のニッポン健康診断」より >>
◆日本全国 公私混同症候群◆
イラクにおける2度にわたった人質事件は、大切な課題
を与えてくれた。多くの国民にとって、この事件を同情するより、
先に違和感を抱かせたのは家族の対応だった。
「自衛隊を帰国させろ」「総理は直ちに面会すべきだ」
自衛隊も小泉純一郎首相も、言うまでもないが「公」
である。渡航制限下のイラク、それも戦場のごとき地域
に出かけたのは「個人」。
近年わが国では政治的にも個人の立場が尊重されるように
なっている。しかし、それは国より優先されることはないし、
国がないがしろにされるものではない。
この事件の冒頭に民主党の菅直人前代表は、自衛隊の撤退
を提示した。政治家として国と個人の関係をわきまえた発言
とは思えなかったが、案の定、年金をめぐる政治舞台から
消えてしまった。党の公的機関である執行部の責任を
果たせなかったことが、致命的であったと考えられる。
三菱自動革の問題でも公道を走る車を生産する会社の
公的立場と、利益を追求しなければならない私的立場混同
が、事件を引き起こす要因となった。
社会とかかわる個人の役割は小学校で学んだ。
もっとも、先生という公的立場より、組合員という私的立場が
優先する教員に教えられるはずもないが。
今月の診断―「公私混同症候群 重症」。日本全国要加療。
平成16年5月20日 産経新聞掲載
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